2011年09月28日

ロシア人女性宅にホームステイ

サハリンに来て1週間が過ぎM氏は先に日本に帰って行きました
M氏をゲーナの車で空港まで見送りに行き、別れ際になると
このまま一緒に帰国したいという衝動に駆られました
なんとも心細く、さみしい気持ちでいっぱいだったのです

実は、M氏と滞在していたホテルは
日本から予約をした時、1週間しか部屋が取れなかったのです
夏場のサハリンはホテルがどこも満室で
行けばなんとかなるだろうと思って、来てみたのですが
ゲーナも一生懸命になって探してくれましたが
どこのホテルも部屋が空いてなく
一日ぐらいだったら、転々とすれば泊まれないこともなかったのですが
そのたびに荷物を抱えてホテルを渡り歩くには大変なため
ゲーナが知り合いの家に掛け合ってくれて
滞在期間中、残りの3週間泊めてくれる人がいたのです

その人はターニヤという30歳ぐらいの女性の家でした
ターニヤは彼女のお母さんと二人暮らしですが
お母さんは夏の間10月に入るまで別荘(ダーチャ)で暮らしているらしく
お母さんの部屋を使わしてもらうことになったのですが
実は、ここの家はターニヤのお母さんの家で
泊めてくれることを快く引き受けてくれたのはお母さんだったのです
ターニヤは入国管理局に努める入国管理官で
昼間は土日以外、仕事に出ているので
私が一人で留守番を兼ねた、下宿人になるわけです
一人といっても、ゲーナは毎日朝9時になると
ターニヤの家に来てくれて、夜まで一緒にいてくれるので
まったく一人になるということはほとんどありませんでした

ただ夜になるとゲーナが帰り、ターニヤと二人きりになると
互いに言葉が通じないため、会話ができず
私にとっては重苦しい時間を過ごさなければなりませんでした
それに私から見たらターニヤは20歳ほども若い女性です
私よりも小柄で、とても美人です
そんな女性と同じ屋根の下で夜を過ごすということは
拷問にも等しい精神的苦痛の時間を過ごさなければなりませんでした

私がターニヤの家の下宿人となって1週間が過ぎた土曜日
彼女のお母さんがいるダーチャに行くことになりました
もちろんゲーナが車で連れて行ってくれたのですが
あらかじめターニヤが連絡していたのか
お母さんはたくさんの料理をつくって待っていてくれ大歓迎されました
日本人が遊びに来るとお母さんが触れまわっていたのか
近所からたくさんの人も集まっていて
大勢のロシア人の人たちから歓迎されたのです

下宿をさせてもらっているお母さんにお土産として
途中で、チョコレート、ケーキ、チーズ、ウォッカ等たくさん買って行きました
昼間からダーチャの庭で野外パーティーが始まり
歌やら踊りやら、ロシア人の素朴な陽気さと人の良さ、温かさに触れ
ロシアに来る前に抱いていた、私のロシアのイメージは
180度転換させられることになります
言葉こそ通じないものの
人と人の心の触れ合いは、言語を超越して相通じるものが生まれます

ロシア人はお酒の席で
乾杯をするたびに、その乾杯の理由づけをします
ターニヤのお母さんがその乾杯の音頭をとるときに
「娘からあなたは大変素晴らしい紳士であると聞いています」
「今はあなたのような紳士も少なくなりました」
「その素晴らしい日本の紳士のために乾杯しましょう」
とお母さんが発声すると
今までにない大きな歓声が皆からあがりました

これはターニヤと二人きりで過ごす日々において
人間(男)としての節度を守った賞賛でした
これは後々、ロシアで仕事をしていくうえで
私がロシアの人たちから守られる大きな要因となっていくことになります






【関連する記事】
posted by すぷーとにく at 01:09| モスクワ ☁| Comment(7) | TrackBack(0) | 回顧録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月15日

ロシアビジネスの動機

私が初めてロシアとのビジネスの関わりを持つようになったのは北海道道東方面の水産会社社長との出会いがそのきっかけになります

現在国内の寿司屋で食べる、あのおいしいウニの大半は
ロシアからの輸入に頼っているのが現状です
北海道をはじめ国内で取れるウニももちろんありますが
道内産のウニは原価が高いうえ、水揚げトン数も
国内で消費される全体量から見ると非常に少ないのです

ウニの加工をしている会社は
加工の原料であるウニをいかに大量に仕入れることができるか
それは会社としての業績に直接結びついてきます
私が出会ったH社長も、その原料確保のことで頭を悩ましていました
安定して原料を確保するためには
自社で直接ロシアから輸入するしかない・・・
H社長は何年もそのことを考え続けていました

そして自分で直接ロシアに行き行動を開始しました
ソ連が崩壊し、混乱期のロシアに数度にわたって渡航しましたが
なんの結果も出せないまま歳月だけが過ぎていました
H社長は、「ロシアには何か目に見えない、不気味な大きな壁がある」
それをどうしても乗り越えることができずにいたときに
私との出会いがあったのです

私は水産関係の仕事などしたことがなく
海外貿易とも無縁の人生を歩んできておりました
H社長はそんな私に
ロシアに行って、ロシアという国がどんな国なのか見てきてほしい
H社長からの唐突な話でした

ロシアという国のこともまったく知らない上
水産の経験もない、貿易の経験もないそんな私に何故(?_?;)
H社長は、なまじ変な知識を持っている人間が見るより
まったく経験のない人間が見るロシアがどんなふうに見えるのか
旅行費用や滞在費用、謝礼はを出すので是非と要望され
1ヶ月間の滞在の予定でサハリンに渡ったのがその始まりと言えます

滞在中、何でもやりたいことを好き勝手にやっていてほしい
それがH社長の頼みでしたが
何でもやりたいことを・・・・この明確な目的がない仕事ほどやりにくいものはありません
しかしH社長の情熱に負け
2001年8月、私はサハリン行の飛行機に乗っていました

サハリンに知り合いがいるわけではなく
あてのない一人旅をさせるのに、H社長は申し訳ないと思い
ロシアとの仕事に経験のある知り合いM氏に
1週間だけ、私と同行してもらえるように頼んでくれたので
最初の1週間はなんとか心強さもあったのですが
1週間たってM氏が帰国すると、さすが心細くなってきました
M氏が一緒にいた1週間の間に
M氏のサハリンの知り合いである、ゲーナというロシア人通訳を紹介されました
ゲーナはサハリンの大学で日本語を教えている先生で
流暢な日本語を話し、しかも大学が9月半ばまで夏休にと聞いたので
M氏が帰国後、私が帰国するまでの3週間の間
専属で通訳を依頼したところ、快く引き受けてくれたのです
彼は(ゲーナ)車を持っており、
運転手と通訳を兼ねて日本円で20万円でお願いしました

ゲーナの大学での給料は1ヶ月で日本円に換算すれば15,000円程度
さすがM氏は20万円は多すぎると言いました
ゲーナにしてもさぞこの金額の提示には驚いたことと思います
これには私なりの計算がありました

知らない国に来て、誰一人頼る人間もいない
そんな私が、普通の相場の料金で頼むと、ともすれば対等の立場になってしまいます
対等であれば相手のわがままも出てきてしまうことがあります
わがままを言わせない、絶対服従の立場を認識させなければ
私自身が言葉もわからない始めての国で、自由に行動できなくなってしまう危険がある
お金で人を服従させるのは、あまり好きな事ではありませんが・・・・・

案の定ゲーナは土日も関係なく
朝9時から深夜に至るまで、つきっきりでそばに居てくれました























posted by すぷーとにく at 02:59| モスクワ | Comment(0) | TrackBack(0) | ロシアビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月12日

ロシアビジネス回顧録(1)

今から数年前にあるマスコミから取材を受けたことがありました
一つは新聞社と、そしてもう一つはテレビ局からの取材です

その取材の内容は、どちらも
私の所有する水産会社についての取材でした
日本人として、なぜロシアの国において
ロシアの国旗を掲げた船を所有し
しかもロシアの領海内で操業できるようになったのか
そこに到達するまでの取材でした

私はその取材に対して、最初は躊躇しましたが
マスコミ特有の憶測で記事を書かれたり
またテレビの視聴者受けする内容で放映されたりするより
すべて正直に話してしまったほうがいいだろうと判断し
テレビ局、新聞社共に
数時間にも及ぶ取材に応じることにしました

もちろん取材はそれぞれ個別に行いました
どちらもロシアに支局を構えているマスコミであり
駐在員は普段から顔見知りの仲でした
ですからかたい雰囲気の取材というより
ざっくばらんな会話のなかでの取材でした

私はそれまでロシアでやってきたことの一部始終を語りました
私には、すべてのことを話せば
マスコミは報道できなくなるという、一つの計算がありました
案の定、両社ともどのような表現で報道すればいいのか
相当迷った様子がありありと伝わってきました
一歩間違えば、両社とも支局を構えているだけに
ロシアから取材許可のライセンスを取り上げられる
大きなリスクを負わなければならないことに気がついたようです
私は内心「してやったり」とほくそ笑みました

実はこの時に話した内容のすべてのなかに
ロシアで第一歩目の成功を勝ち取る大きなヒントがありました
その内容を当時のマスコミが公表することは憚られました
しかし時と共に、今現在に至ってみれば
公表してもいい時期と判断し
これから先のこのブログの記事は
私がロシアで行ってきた、回顧録を中心にして書いていこうと考えています
できるだけ詳細な回顧録を綴っていjくことにより
その中に多くのビジネスヒントが提供できるものと確信します

もとより豊かな表現力を持ち合わせず
文章を書くことを大の苦手としてきた私の文章です
誤字脱字も多々あることかと心配していますが
このブログを訪れてくださった読者の皆さまにとって
少しでもロシアビジネスの何かを掴んでいただければ
筆者として歓びに堪えません。
















posted by すぷーとにく at 23:44| モスクワ ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 回顧録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月27日

ブログ開設から5年

このブログを開設してから今年で5年が過ぎました。いつの間にか、アクセス数も14万を超え日々更新を続けております。
自分で、自分のブログの検索などすることがなかったのですが、
ふと思いついてgoogleで、ロシア・ビジネスと入れて検索してみると、
この「ロシアビジネス成功のヒント」がトップページにヒットされていることに驚きました。

このブログを開設したときは、
ロシアはマイナーな国なので、これほどのアクセスも予想していませんでした、
ただロシアで自分が経験したことや、見たこと聞いたことなどを、
ロシアに感心を持たれている方たちの参考になればという思いで、幾つかの記事をアップしてきました。
このブログを立ち上げてからの5年間には、
多くの方たちからの問い合わせや、仕事のオファーも飛び込んできたりました。

なかでも一番大きなオファーは
ロシアの原油を毎月40万トン入れたいというオファーでした。
最初は耳を疑いました、
これだけの規模のオファーは、大手商社が扱う規模で
私のようなところに持ってくるオファーではないからです。
この話を持ってきたのは、日本企業ですが、
ロシアでこれだけの原油を渡してくれるところをあちこち探して
モスクワの石油大手会社にも行ったそうですが、門前払いを食らい、
なんの進展もないまま半年以上が経ち、
経費がかさむ一方のときに私のところに突然飛び込んできた話でした。
これには、現地でロシア人の協力もあったそうですが
まったくなんの進展も得られなかったということでした。

私の方では早速ロシアの石油会社にあらかたの話を通して
ロシア側からソフトオファーを出してもらえるところまではいきましたが、
依頼先との仕事の条件を詰めていくと
最終荷受先は中国であることがわかってきました。
つまり私に依頼してきた日本企業は、
中国の石油会社から頼まれ、
自分たちで出来ずに、私のところに持ってきたということになります。

中国と聞いて、私は瞬間にこの話はまとまらないだろうという予感がしました。
過去にも、最終荷受先が中国企業で、
木材や、鉄のスクラップ、水産物等のオファーがありましたが、
中国企業は自分のところではリスクを一切負うことはせず、
すべて、日本側に押し付けてきます。
私に依頼してきた日本企業が腹を据えてリスクを負うことを覚悟で、
話を進めていたら、あるいはこの大きなビジネスは成し得ていたかもしれませんが、
私への依頼先である日本企業も、
中国の対応に腰が引けてしまいました。

近年、中国をはじめとした第三国絡みのロシアとの取引の話が増えていますが、
第三国絡みのこうした話はほとんど実ることはありません。
以来私のところでも、日本企業が直取引の場合以外はすべて引き受けないことにしています。

私のところに来る仕事のオファーはこれまで
ロシアから何かを買いたいというものが圧倒的に多いのですが、
ロシアにあるものといえば天然資源物がほとんどです。
原油、天然ガス、木材、水産資源物等があげられますが、
むしろロシアからモノを買ってのビジネスというより、
これからはロシアにモノを売るビジネスの時代であると思います。

未だにロシアは貧しいという認識を持たれている方がいますが
それは間違いで、ロシアは年々裕福になっているのが現状です。
モスクワの街では、東京以上にメルセデスやBMWに乗っている人が多くいます。
レクサスが世界中で最も多く売れているのもモスクワだと聞いています。
モスクワの富裕層は、
日本の六本木ヒルズ族など、足元にも及ばないほどの多くの人たちと、資産を持っています。
20年ほど前のテレビニュースで、パンを買い求めるために行列を作っていた光景が、
10年ほど前には、マクドナルドに行列が変わり、
今は高級な日本レストランに行列ができていると言っても過言ではありません。
それだけロシアには富裕層が増えてきました。

日本よりかなり高い金額で売られている資生堂化粧品にも女性たちが群がっています。
3・11の原発事故以来、日本のものは世界中で敬遠されていますが、
ロシアだけは無縁のもののようにむしろ日本製品は売上を伸ばしています。
ロシア人は比較的日本びいきであるというところに、
これからのロシアビジネスチャンス成功のヒントがあります。

2年近く、ブログの記事を休んできましたが
今なを多くの方々のアクセスを頂いていることに励まされ、
折々に記事をアップしていきますので
これからもよろしくお願い申し上げます。








posted by すぷーとにく at 04:05| モスクワ ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | ロシアビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月04日

ロシアビジネスの勧め

近年ロシアに注目をする人や企業が増えてきた

 

ロシアに注目している人や企業の多くは、

ロシアに資源を求めたビジネス、たとえば水産資源や地下資源等。

そしてロシアに製品を売るビジネスを考えている人が圧倒的に多い。

いわばロシア相手の貿易に関するビジネスが主流を占めている。

 < 続きは下記よりお入りください >

http://office-rbs.seesaa.net/

posted by すぷーとにく at 11:48| モスクワ | Comment(1) | TrackBack(0) | ロシアビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月21日

日本を中心にしたロシア〜中国への三国取引

 ここ何年か前から日本企業が依頼してくるものに、「中国企業から頼まれてロシアで水産物を確保してくれ」、「木材を数万トン規模で欲しい」といったような、いわば中国〜日本〜ロシアという三国取引の依頼が増えてきた。
 結論から言えば、私のところにくる依頼でいまだかつてこのような取引は一度も成立したことがない。
 私自身の役目はロシアから依頼されたものを確保することにある、現物を探し出し、依頼側の希望金額で数量をまとめても、取引の成立を見たことがない。
 これまでに中国がらみで依頼があった案件の総額を計算してみると、軽く100億は超えてしまうほどの金額になる。これは取引が成立していたらの毎年の取引額である。

 中国から依頼があったものには、これまでに水産物、木材、鉄スクラップ、非鉄金属、鉱物資源など多彩である。どれも金額にすれば年間で数十億円になる取引ばかりだ。
 私自身は日本企業の依頼なので、その依頼先を飛び越えて、発注元である中国企業とは直接話をすることがない、全ては日本企業からの依頼によって動くというスタンスを取っている。

 中国がらみの依頼には必ず共通しているものがいくつかある。
 @ 中国の依頼元は国営企業
 A 取引の数量はどれも数万トン規模
 B 急いでいる
 C 現物があればすぐに検品に行く

 これらは不思議と共通している、しかし急いでいると言ってこちらを煽りながら、依頼物を見つけてほぼ話をつめ、検品にいつでも来れるようにお膳立てをしても、またいつでも商談ができるようにしてあげても、これまでどこも一度として検品はおろか、商談にさえ一度として来たことすらこともないし、欲しい現物が見つかれば日本企業からも連絡が来なくなるというパターンである。
 今度はロシア側のほうから、いつ検品に来るのだと何度も何度も連絡が入り、結局は迷惑をかけてしまう結果に終わっている。
 馬鹿を見るのは毎回私とロシア側になる、世界一広い国土のロシアで希望するものを探し出し、商談ベースまでもって行くには、それなりの経費と時間と労力を要する、しかしこれらのものを一度として中国側では払ったこともないし、また依頼をしてきた日本企業もほおかっむりを決め込んで払ったためしがない。
 
 これらを考えてみるときに、一番甘いのは私かもしれない。
 ビジネスは信用で成り立っている、ご存知のように信用は一日で出来上がるものではない、長年かけて築き上げた信用は時として大きな力を発揮してくれる。ロシアにおいてこの信用は仲間としての証にもなっている。
 私が自分の専門でないものの依頼を受けると、ロシアの政府機関の友人(仲間)に情報収集と紹介を頼むことにしている。これが一番確実で時間も短期間で済むからで、ビジネスにとって時間がかかればかかるほど出費がかさむからだ。
 ロシアには日本や欧米のように、ビジネスにおける調査機関が発達していない、そのためには旧ソ連時代からロシアには国内のあらゆる情報を把握している機関が存在している、これはビジネス情報はおろか、個人情報までかなり深い部分までその情報を把握している。
 幸いにもその機関に友人がいるので、ついつい相談してしまう。
 ロシア人のいいところは、友人が困っていたり相談を受ければ、自分の仕事そっちのけで助けてくれることだ。

 これまで中国がらみで依頼を受けたものは、水産物を除くと全て専門外のものであった。日本のビジネスでも分かるように、今まで一度も取引がないところに新しい商談を持ち込んで「ハイ、そうですか」ということにはならない。
 ロシアもそれはまったく同じことである、しかしロシアは長い間社会主義国家としての社会を形成してきた国である、いまだにロシアにはその風潮がいたるところに残っている。政府の役人に弱いのである、70年以上も国家権力によって全てを統制されてきた歴史の中で、国民の意識の中に埋め込まれた遺伝子はそう簡単にはなくならない。
 したがってその機関の友人に情報収集と紹介を頼むと、これまでほとんどの依頼において商談ができる状態になっていく。しかもスピーディーにである。
 日本の大手商社の商社マンが数十億のビジネスをこなすために、どれだけの時間と経費を要するのか細かい数字は分からないが、ロシアに進出している商社のいずれを見ても、商社マンの人件費から経費の全てを含めると相当の経費がかかっている。

 ビジネスの結果として「たら、れば」はよくないが、これまで中国がらみで依頼のあったビジネスが成立していたら、年間で100億以上のビジネスになるのは申し上げたが、中国企業にしても、それを受けた日本企業にしても、一円のお金も使わず人の褌で相撲をとろうとする根性だから、終わって後を振り返ってみれば妙に納得できるものがある。
 私自身は中国の企業から直接頼まれていたら、おそらくやっていなかったと思う。日本企業の依頼だからこそ、また日本企業でも名もなき小さな企業であるからこそ、引き受けてきた。
 これは私自身も名もなき一介の零細企業の親父であり、ビジネスマンだから、ロシアビジネスを大企業の一人勝ちにさせたくないという、変な意地もあるからだと思う。
 これまで大企業からも仕事の依頼は入ってきた、大企業のずるさもあるが、人に何かを頼むときはそれなりの金額も払ってくれた、そのような基本的な常識はどこも持っていた、今思えば大きなビジネスができるところと、それができないところの差がこんなところにあるのかとあらためて発見できた気持ちである。

 とりわけロシアにおいて、中国人はあまり好かれていない。これまでにも書いてきたことだが、日本人と中国人、それに韓国人が同じビジネスの話をロシア人に持ちかけたとしたら、ロシア人の9割は日本人と取引を希望する、理由は日本人が一番ずるくなく誠実であると判断しているからだ。ここで中国人や韓国人を中傷する意図はない。
 
 今はロシア貿易に対して、日本も中国もまた韓国もまったく同じ条件である、むしろ日本より中国や韓国のほうが同じ陸続きであり、日本以上に国と国とのつながりはこれまでの歴史を見ても深いはずである。
 その中国企業がしかも国営企業であれば、日本企業を仲介にしてロシアから輸入するものを探すというのもおかしな話である。
 ロシアの対貿易国でも中国は日本よりその取引貿易額は、はるかに上をいっている、ロシアの対輸出国では4番目、対輸入国では3番目になっているのだ、日本は対輸出国としては10位以下であり、輸入国としては4番目に入っているがその上には中国がいる、その伸び率も中国が53%なのに対して日本は48%となっている。
 中国人の商売のうまさなのかずるさなのか、自分では経費をかけずに日本企業をうまく使ってという意図が見え隠れしてくる。
 最近では私のほうでも中国の国名を出すとすっかり信用がなくなってきつつある、なかには中国が最終的な受け取り国と聞くと拒否をする企業までがでてきている。
 つまり日本を仲介にしてのロシア・中国間取引はほとんど相手にされなくなってきている。
 ロシア側の情報機関からも、中国とロシアの貿易交通路の国境税関には、ロシア側の保税ヤードには中国に行くべき木材や非鉄製品などが中国側の通関ができないために、溜まっているとの情報もある。結局ロシア側の負担が大きくなって中国との取引を嫌がる企業が増えてきているのだ。

 ロシア国内においても、中国人が経営する市場などがロシア当局の厳しい規制の的になって、差し押さえられた商品倉庫から略奪もされていると、これは中国のメディアが中国内で伝えていて、ロシアビジネスの危険性やビジネス環境を批判している。これらを見てくると政治レベルや国家レベルでロシアと中国は親密に見えるが、民間レベルでは果たしてという疑問符がいくつも付いてくる。
posted by すぷーとにく at 15:46| モスクワ ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | ロシアビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月06日

ロシアは賄賂天国

昨年6月にこのブログで掲載しました
ロシアは賄賂天国」の記事は、今も多くのアクセスがあります。
一年近くたてばロシアの国内事情も変わってまいりますので
今回新たに、「ロシアは賄賂天国」の題名で、昨年6月の記事に加筆修正を加え
ホームページ「Russia Bujiness Station」のほうに掲載しましたので
ご案内いたします。
次のURLをクリックしてお入りくださいhttp://rbs.gouketu.com/
posted by すぷーとにく at 15:51| モスクワ ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ロシアビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月31日

ロシアとのビジネスチャンスをつなげます

58.jpg今日はこのブログを書き始めてから

初めての試みとなりますが

何年間かロシアとのビジネスを続けていると

たまに、私自身の商売とは縁のないビジネスの引き合いがあります

今日もロシアのある業者から連絡があり

日本から「ある物を買いたい」という話が来ました

このような話は年に数回入ってきますが

これまでは、私自身の専門外のビジネスの話は

自分のところではやっていないと断ってきていましたが

考えてみるとこのブログには

ロシアビジネスに興味をもたれている方たちが

大勢訪れてくださっています

ロシアとのビジネスチャンスを掴もうと思われている方もいます

せっかくのビジネスの話を

自分のところでは興味がないと思っても

人によっては十分に関心があるビジネスの話しであるかもしれません

それで思い切って今回、ロシアビジネスを検討されている方々に

それを公開してみようかと考えました

 

今回はロシアから日本で「買いたい」というオファーと

またロシアから「売りたい」というオファーが入っています

興味のある方はメールでご連絡ください

またロシアにこんなものを売りたい

ロシアからこんなものを買いたいと思われている方もいらっしゃいましたら

今はその希望するものがなくても

いずれチャンスが開けるかもしれません

ただし身元がハッキリしている方に限ります

身元がはっきりされない方には

私も返事はできません

ビジネスは信用の積み重ねですから

posted by すぷーとにく at 00:32| モスクワ | Comment(8) | TrackBack(0) | ロシアビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月24日

サンクトペテルブルク(ロシア):公共交通機関内の強盗に対する注意喚起

3月23日、外務省のスポット情報として次のような内容が伝えられています。
(内容)

1.最近、サンクトペテルブルクでは、市内中心部の地下鉄において、邦人旅行者が強盗に襲われる事件が未遂を含めて連続して発生しています。犯行の手口は次のとおりです。
 犯行グループは、狙いを定めた人の後方から集団で車輌に乗り込み、車内で羽交い絞めにして、相手が身動きが取れない隙に金品を強奪します。
 その後、犯人達は、被害者が動揺し周囲の状況を瞬時に判断できなくなっている間に別の車輌に移動して逃走します。

2.つきましては、以下の点に注意して危険を避けるようにしてください。
 (1)地下鉄等の公共機関を利用する際は、周囲の状況を良く確認し、車輌に乗車する際は一番最後に乗車したり、周りに不審な集団がいる場合は乗車口を変える。
 (2)もし、集団に取り囲まれたら、臆せず大声を出して周囲の人に助けを求める。
 (3)夜間は地下鉄の利用は避け、タクシーを利用する。なお、無登録タクシー(白タク)は使用しない。
 (4)単独での外出、深夜、早朝における外出は極力避ける。

という内容です。
いまだにロシア人から見た場合
日本人=金持ち と見ているロシア人が多くいます。
これはサンクトペテルブルクだけではありません。
ロシアでは、買い物をするときに財布を出さない
まとまったお金を見せないが、鉄則です。
お金はズボンのポケットにバラで入れておき
お金を出すときは、そのばら銭から出すようにしましょう。
posted by すぷーとにく at 00:44| モスクワ | Comment(0) | TrackBack(0) | ロシアビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月23日

ロシア・ビジネスステーションをリニューアルいたしました。

先日、新規にアップしました、このブログの姉妹ホームページである
ロシアビジネスステーションは
トップページにCGI,Javaスプリクトを多用したために、ページが重くなり、
ご訪問者の、インターネットの環境等により
なかなかページが開かないという、苦情をいただきました。
またロシアからアクセスされている方たちには
ロシアの地方都市によっては、インターネット回線が遅いため
ご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。
急いでページをリニューアルする作業に取り掛かり
本日、すべてのリニューアルが終了しましたのでアップいたしました
今度は軽く仕上げてありますので、以前のようなことはないと思います。
今後とも、ブログ、ホームページともよろしくお願いいたします。
ホームページ「Russia Bujiness Station」は下記よりお入りください。
http://rbs.gouketu.com/
posted by すぷーとにく at 20:04| モスクワ | Comment(0) | TrackBack(0) | ロシアビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする